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それがたとえ夢だとしても

これ以上好きにならないなんて 言わないよ絶対

モノクロが色づく頃に

※ネタバレを含む可能性がありますのでご了承ください

 

 

2016年3月4日。「ピンクとグレー」二回目の鑑賞を終えた。

行けそうな映画館での公開がその日までだったので、実質最終公開日。公開初日と公開最終日に大きなスクリーンで、あの作品を鑑賞できたことにまず感謝したいです、ありがとうございました。

 

なぜか一度目の鑑賞__初日に観た時よりも劇中で涙が出た。

ごっちとりばちゃんがサリーと共に引っ越し作業をするシーン。坂道を転がっていく野球ボール。

同窓会でりばちゃんとごっちが再会するシーン。

飲んだ後、昔のように騒ぎながら歩くごっちとりばちゃん。

嬉しそうにリボンのついたワインを片手にエレベーターを乗っているりばちゃん。

 __たとえ、それが演じられたもので。作られたものであったとしても…それを分かっていてもやはり涙は止まらなかった。

 

カットがかかった後の彼は、まるで別人だった。覇気がなくなったかのように瞳にいまいち光が見えない。どこか物思いにふけるような表情ばかり。あれほどまでカリスマ性を持った役を演じていたのに、その面影はどこに行ったと言いたくなるような顔だった。

 

そして、ラストシーン。個人的な感じ方と思って聞いてください。ここはまるっきり原作と異なっているのだけれど、どうしても…最後のりばちゃんがシゲさん__加藤シゲアキに見えて仕方なかった。幻想かはたまた夢の中なのか分からないけれどそこで吐露した想いや言葉は、彼が心の片隅で抱えていた思いと一致するんじゃないかなって。彼がどんな思いでどれだけの負担を心身にかけてこれを作り上げたのか、私たちは文面や本人の口からしか知ることができない。だけどもし、彼が「俺よりもピンクとグレーを愛してくれている」と言った監督や脚本の方がそういう想いもくみ取ってこういうラストシーンにしてくれたなら。私は彼を応援する身としてただただ感謝するしかないです。(彼の1万字インタビューを読めば分かると思います)

 

声を大にして言いたい。ぜひ原作を読んでほしい。映画は「ピンクとグレー」と言いながらも、どちらかと言うと(映像の色や光がそうであるというわけではなくて)コントラストの強い印象だった。原作には映画とはまた違った、湿っぽくて幻想的で、黒か白かもわからない、赤にも染まり切れない曖昧な世界が広がっている。そしてその世界は残酷なほど__綺麗だ。

 

そんなことを言いつつ、またいつものように話がまとまらなくなってしまいましたが。中島裕翔の初主演映画「ピンクとグレー」とても素敵で大きな爪痕を残すような作品でした。鑑賞できて本当によかった。ありがとうございました。