それがたとえ夢だとしても

これ以上好きにならないなんて 言わないよ絶対

ここにいるのは

 

これはやっぱり書き留めておかないといけないことかな、とふいに思い書き進めてます。ここにしては珍しい、あの人のこと。ずっと応援してきた彼のこと。

 

改めて二宮さん、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞の受賞おめでとうございます。

 

正直今回の映画は公開初日に観に行けなかった時から、もうこの作品は観にいけないんだろうなと思っていました。というのも、学校生活が忙しくてそんな時間はなかった。作ればよかったんだけれど、それもできないくらい切羽詰まってた。だから今までのどんな作品よりも雑誌をはじめその他メディアを追えてない。それはそれはプラチナデータのときと比べたら雲泥の差。だから包み隠さず言います。今までのどの作品よりも思い入れのない作品だった。

 

だから。優秀賞に選ばれてあの名誉ある場に呼ばれる、あのレッドカーペットの上を歩くと知ったときに素直に嬉しいとは思った、光栄だなとは思った…けど。他人事のようで、あぁフォロワーさんが行ったという報告をいっぱいしてくれてたなぁ、あの作品で受賞できるって彼にとって嬉しいんじゃないのかなという風にしか思っていなかった。思えなかった。言い意味でも悪い意味でもドライな反応だった。それはもう、私は二宮担じゃないのかもしれない、なくなってしまったのかもしれないと思うまでで…複雑思いを抱えて授賞式のその日を待っていた。

 

でもね、本当に自分でもびっくりした。二宮さんが登場した際に出た言葉が「にのちゃぁん…」でいろんな意味でなにも変わってなかった。馬鹿みたいに泣くことも自担の名前を実際に口に出して叫んで噛みしめることも、少し成長した今なら…もしかしたらもう自担と呼べるほどの感情を持っていないかもしれない今ならないと思ってた。思わず泣きながら笑ってしまった。「あぁよかった、私は二宮担だ」って。もちろんその反応ひとつで実感したわけではないけれど。

 

 黒木華ちゃんが壇上に上がってお話ししているとき。最優秀助演女優賞で名前が呼ばれたとき。ものすごく優しい表情だった。嬉しそうで誇らしくて、本当に愛しいものをみるような顔で。この人は撮影中もこんな風に現代にひとり残してきた町子を想って、心配して愛し続けて…たくさんの優しさを注いできたのかなって手に取ってわかるようで。共演者が心地よく演技できるようにって動ける彼だからとは思ってたけどここまで優しい表情するんだなぁ…知らなかったかも、本当に思い入れのある作品なんだなって思った。今まで共演者が受賞して泣いてたことなんてあったっけ。めったに泣かないもんあの人。お母さんの吉永小百合さんが登壇したときに抜かれたカメラも、本当に優しい瞳をしてて。いたずら好きな男の子みたいな顔して、母親がこうやって褒められてるのを嬉しそうに見守る本当の息子のようで。愛がいっぱい溢れてた。彼の感情が溢れてた。

 

ひとつひとつのシーンに私が知らない二宮和也がいた。それはとても嬉しくて、ひとつのところに留まらず前へ歩いている自担がかっこいいと思った。…でも、やっぱり寂しかったんだよ。言わなかったけど、…言えなかったけど。うぬぼれと思われてもいい。彼のことが好きで好きで仕方なかったはずなのに、こんなに知らないところがあって。もちろん全部知ることなんかできないし知りたくもない。アイドルだから、アイドルは夢を与える仕事でしょ?僕が演技をしたものを見る人に、お金を払ってまで足を運んでくれる人たちにこっち側の事情は一切関係ないでしょ?って馬鹿みたいに真面目に言う二宮さんがかっこよくて好きで仕方なくて。(そのせいで他のどんな人を応援するときもそのスタンスになってしまって、その人を応援してるほかの人との微妙に温度差ができてしまうのが難点なんだけど)だから珍しく感情を出してる二宮和也が嬉しくて、でもなんだかそわそわして落ち着かなくて。その何とも言えない感情の終着点が「にのちゃん…」だった。

 

そんなことを思いつつ、大好きな山田さんの新人賞受賞で大泣きして。これでもかってくらい泣いて、泣いて。様々な感情が溢れだして大変だった。

trumpnomori.hatenablog.com

 

それで、いよいよやって来た最優秀主演男優賞の発表の前。登壇した二宮さんが話すのを見て…少し安心した。普段目上の人と話すみたいにフラットでお話し上手な二宮さんがそこにはいた。升アナにさゆゆ発言を言及されて秒で否定する彼が、かと思うと真面目に話し出す彼がいつもの姿でそこにいてくれた。でもまだ怖かった。そこにはきっと最優秀賞は違う人だろうなと思う自分がいたから。

 

そしてCM明けの発表。「最優秀男優賞は…母」と呼ばれた瞬間の目を丸くした顔。少し猫背気味のその姿。何よりも嬉しそうに彼の手をぶんぶんと振る吉永さん。彼が浮かべたその笑顔。トロフィーをいただくときのその低い姿勢。まさか、二宮さんが。ワイプや映像で異常に抜かれるなぁとは思ったけどまさか自担が。おめでとう、おめでとう…もうすべて忘れて祝福の言葉しか出てこない。

 

ここ数年で一番嬉しい言葉が、自担として彼を応援することに決めたときからその口から聞きたかった言葉がやっと聞けた。

「…悔しいなぁと思って」

人と比べることをあまりしない彼が、闘争心なんてほとんど出さなくてフラットなままでいる彼が。負けず嫌いなんてほど遠い彼が。そんなこと口に出すなんてもってのほかでどちらかと言うと違う分野で差別化を図ろうとしているようにも見える彼が。あの二宮和也が。先輩が受賞したその賞を同じ俳優として欲しいと思った。負けてられない、俺だって欲しい。悔しい。

 

言いたいことは伝えたいことは口に出さなきゃ伝わらない。こういう世界ならなおさらで、言葉に出しても伝わらないことのほうが多いかもしれない。個人的に5×10の土曜日の東京ドームでバッサリ言い放ったときみたいなはっきり言う彼が好きだけれど、本当に伝えたいことは何となくぼんやり隠して雑誌のインタビューに答える彼が二宮和也だから。心の内なんて、それも俳優業での思っていることなんて彼の表情を見ながら聞ける機会なんて一生ないんじゃないかって思ってたから。嬉しくて、ただただ嬉しくて。きっとこれも彼が成長したってことだろうなって思ったら応援してきてよかったって思って。私が好きでたまらない彼がそこにいた。それを実感することができて、幸せなんて言葉じゃ言い表せないほどこの上ない気持ちだった。

 

さらに追い打ちをかけるように「嵐の人たちも見てると思いますし…」の一言にはっとした。何にも変わってない。変わらない二宮和也はずっとそこにいた。考えてみればそうだ。CMの会見に出ても演技の仕事でもバラエティーでも、あの人は嵐の名前ばかり出して。硫黄島からの手紙で海外に行った際も「僕はアイドルです」と言って。このご時世アイドルやジャニーズというフィルターを外して見てほしいと願うことのほうが多いのに。良い意味でね、バカみたいに嵐というアイドルの看板を背負って立ち向かっていく彼がいて、彼は彼のままだった。なに一人で悲しくなってるの、不安になってるの。ここに大好きな二宮さんはいたじゃない。

 

その日は本当に忘れられない日になりました。ちゃんと次の日近くのやっている劇場に足を運んで『母と暮らせば』を観て。あぁこの人の担当でよかった、応援できるこの環境に感謝しよう、心の底からそう思いました。

 

おめでとう、本当におめでとう。誇りです、そして尊敬しています。

私たちもとっても嬉しいです。ありがとうございます。

また素敵な作品であなたの演技が見れますように。