それがたとえ夢だとしても

これ以上好きにならないなんて 言わないよ絶対

金田一と佐木の観察日記(獄門塾編)

 

金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件、Neoのネタバレを含みます。ご注意ください。

 

 

…ということで、書いてみました。

 

 

 

①獄門塾殺人事件

きっと観たことがある人なら共感してくれるでしょう、佐木の過去に触れる場面。獄門塾の合宿が始まってからずっと佐木は何かに怯えるような、隠しているような素振りをして何となく落ち着きがありません。一は気にかけてて何とかそのことを聞こうとするけれどはぐらかされる…それもそのはず、佐木にとっては苦い過去の出来事であり自分に責任があるとずっと後悔しているのだから。この話は事件・トリックもさることながら佐木と一の関係性だったり、佐木の人間性が垣間見れる話だったなぁと思います。

 

まず、金田一が生徒の首つり死体を見つけたことを電話でリー刑事に伝えているところに仮面をつけた不気味な人物・赤尾先生が突然現れ、英語の授業で扱った物語を話し始めるところから始まる。部屋の片隅で震えて何かに怯える佐木。赤尾先生が言い終わるや否や外へ飛び出してゆく。一は一瞬赤尾を見てからそれを追う。廊下で佐木を捕まえると「殺された被害者たちは以前亡くなった予備校の生徒をいじめていたグループだった」「自分は彼がいじめられていることを知っていたのに何もしなかった」ということを聞く。再び走り出す佐木。その後、「修理中」と書かれているのに気付かず橋を渡りだすも途中で床が抜けてあわや落下する__というところで、一が「佐木!!」と叫びながら(本当に必死な声で。九龍財宝殺人事件で美雪の名前を呼んだとき並に)救出する…という流れ。

 

一は一応佐木の先輩なわけで。確かに何かに怯えてる様子だったことは気づいていたけど普通逃げ出したときこんなに必死に追い回すか?何度も逃げているのにそれでも追いかけるか?…勝手な解釈だけど、やっぱりこの時点で一と佐木には先輩と後輩という枠を超えた絆とか思いやりとかが芽生えて育っていたのかなって。あと、他のドラマだとなかなか主人公とヒロイン以外の人間性(主人公との関係性のなかでの人間性にスポットライトが当たることがあっても「弱さ」という部分)はほとんど描かれるということはないと思います。でもこの金田一は佐木というキャラクターの根本の「弱い」部分を見せてくれている。それがすごく面白いし好きだなーって思う。

 

話はドラマの内容に戻ります。橋で落ちかけた佐木を見た瞬間無我夢中で走ってきた一。自分が高所恐怖症にも関わらず。脇目もふらず駆けつけ、助けて、彼の話を聞きながらも自分自身の言葉を投げかける。一は「彼らが死んだのはお前のせいじゃない」ことは言ってもこのとき佐木に「お前は弱くない」とは言わなかった。「赤尾が怖いのか」「大丈夫、俺がついてる」なんて言って、でも最後に「一緒に帰ろ、な?」とびっくりするぐらい優しい微笑みを浮かべる。一は佐木の弱さも認め、それでも一緒に向き合ってほしいと思っていたのかなーなんて考えると、本当に一は優しくてつくづくかっこいいやつだなぁと思う。そして、その一に本当なら隠しておきたい自分の弱さを見せられるその勇気と信じる心を持った佐木も人間として素敵だと思う。

 

そしてクライマックス。ついに高遠が姿を現し浜さんを人質にとってじりじりとナイフを片手に彼女を煽っていく。他の先生や一も動けなかったところを佐木が高遠に体当たりをして助ける。その後高遠にナイフを向けられて…というところ。

 

その姿を見た一がはっと息をのむ。もうその時は佐木は自分が何もできなかったことに対してひたすら謝り泣きそうになっていてボロボロなんだけれど、一はその行動力に対して驚いていて。もうその時点で弱くなんかないのに佐木はそれに気づかないし、浜さんもただただびっくりしてるし…言葉が見つからないんだけど、とにかく佐木が人間らしくて。フィクションの世界だけれど、どこかそれを感じさせない人間性を持っているというか…。このシーンを見た時涙がね、もうすぐそこまで出かかってたよね。なんでこんなに彼は愛しいんだろうか。それを少し泣きそうな顔して見つめる一もいい。

 

その後ですよ。地獄の傀儡子に足蹴りされてあわや殺される__という状況のあと彼から投げかけられた言葉「思い上がらないことだ…君のような人間はこの世の中に五万といる」に対する一の顔。あの厳しく鋭い目つき。少し潤んだ瞳。もう「佐木の勇気を馬鹿にするな、ふざけんな」と言ってるようにしか見えなくて。あの顔…めったに見れないだろうし一と佐木の関係性があるからこその表情なのかなって思うと胸が非常に熱くなる。何も言えなくなる。

 

そのあと佐木にかけた言葉も大好きだよ、はじめちゃん。本当にいいコンビだよなぁ。今回は佐木がビデオカメラを持ってなかったのが少し残念だったけど、本当にこの金田一一と佐木竜二という二人が織りなす関係が大好きで、愛おしくてたまりません。なんか書いていたらすごい量になってしまったので連ドラのほうはまた後で。こんなくだらない文章にお付き合いいただきありがとうございました。